心のそこから愛する人
気づいた気持ち
仁君と付き合い始めて、
二週間がたとうとしていた頃。
私は、仁君の家にいた。
「仁君、ちょっとお手洗い借りるね」
「あぁ、うん」
このときまでは、幸せだった。
幸せなはずだった。
私がお手洗いから戻ると、仁君は誰かと
電話をしていた。
「えっ、今、付き合ってる女。
あぁ、あいつはただの退屈しのぎ」
その言葉を聞いて、凄く苦しくなった。
このまま、ここには入れない。
「あぁ、じゃあまた会おうな」
電話を切った。
「あの仁君、私用事思い出したから、
帰るね」
「そうなの、別にいいけど」
「じゃあ、またね」
「あぁ」
私は、家から直ぐに出た。
早く歩きながら、家に帰ろうとした。
でも、視界が歪んで見えた。
そこで、頬に涙が伝った。
苦しくて、辛くて、悲しくて、寂しくて、
心が押し潰されそうだった。