甘い~秘密¨あたしの危険なドキドキ恋愛☆
強制的に腕を引かれて準備室に連れて来られた。


 廊下を歩いてる時先生は無言だ。


 きっと嘘に怒ってるんだ…


「早く入れ。」


「はい…」


「取りあえず座って。」


 椅子に座るように促され仕方なく座る。


 授業の真っ最中で準備室がある特別棟はシーンっと静まり帰っている。


 この微妙な空気が何とも言えない。


「ほら飲め。」


 先生が紅茶を入れてくれた。



「いただきます…。」


「でっ、菜々のお母さんはいつ日本に帰って来たんだ?初耳なんだけど。」

 
 ごめんなさい…先生ごめんね。


 だってどうしても逃れたかったんだもん…


「………。」


「お母さん帰って来てるんだ?じゃあ俺、挨拶に行かなきゃいけないな。」


 ………挨拶?先生がお母さんに挨拶するの?



「菜々?お母さん帰ってないよな。」


「……ハイ。ごめんなさいっ!!」

 
 …………なにこの重い沈黙。
 

「ったく。菜々いい度胸してるな。」


 先生は呆れた顔で目を細めてあたしの顔を睨む。
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