初恋青春
始まり
「七屋こあです。よろしくお願いします!」

高校の入学式を終えて、 教卓の前でお決まりの自己紹介をした瞬間に青春を感じていた。明日から初恋の始まりかもとか期待してた。


でも、現実は甘くない。


「おはよー」

次の日、簡単に挨拶して適当に色んな子に声をかけた。
思ったより、みんな馴染みやすい子で「部活何やる?」とか「中学校ってどんな感じだった?」とか些細な話題で盛り上がれた。

そう、女の子は。

男子となると、ほとんど話してない。
授業で少し喋ったりするぐらいでそれだけだ。

でも、まだ大丈夫。明日からきっと初恋は始まるはず。
ただこれを繰り返し続けた。


そんなこんなで一週間。

「席替えをやります」

キタキタキタキタ。きっと、これで青春色に染まる!やった!
ハイテンションでくじを引きに行った。
くじ引きってなんか緊張…。

「25番」
25番は、窓側の2番目の席だ。
「こあ25番?ならあたしの前じゃん!やったね!」
「えっ、マジ?私、こあの前だから私とこあと美羽で3人縦並びだね!」
「えっ、ホント?!やったぁ」
高校生になって1番の友達の美羽(みは)と友梨亜(ゆりあ)と席が近いなんて幸運だ。幸運なら隣は……

「…ェ」

隣は、なんか元気でうるさそうな男子だ。
周りの女子や男子に囲まれてる。

「えーと…誰だっけ?」
「あれだよ、新谷 透(あらや とおる)」
「ふーん」

うるさすぎるのは困るんだよな…
でも、美羽と友梨亜とおんなじだし…

深く考えないでほっといた。
青春とか初恋とかどっかいってて、楽しければいいやって思ってた。
新しい生活班超最高だし。

とかいっても

「意外と真面目だよね」
「オレ真面目じゃねーけど」
英語の時間、ペアで英語の会話をする時間、こんな奴絶対真面目にやらなそうだからラッキーとか思ってたのに…
「うるさすぎるのもやだけど、いきなり黙って集中しやがって…真面目もやめて」
「だから、真面目じゃねーっつーの」

「こあ、早速新谷と仲いいねー!」
「美羽っ!やめて!良くないし!」

本当に私の高校生活大丈夫かな…

やっぱり青春したい
青春感じない高校生活にはしたくない

「…最悪」

ひとりごとのようにつぶやいた














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