秘め恋*story7~試着室で…~
これって恋なのかな…なんて浮かれていた私。
やっぱり真面目にひっそりと仕事するのが私なんだよね…
今まで真面目に働くことが取り柄だった私をすべて裏切るような仕打ちだった。
それはある日突然起こった。
「高田さん、このチェックリストの商品の発注お願いできる?」
「え、でもそんな大役私に…」
「あなたの仕事ぶりを見てたら大丈夫だと思うけど?」
「あ、ありがとうございます。
やってみます。」
「お願いね。」
チーフから商品の発注を頼まれた。
今まで本当にベテランの人にしか頼んでなかったのに。
今まで真面目に働いてきて良かった。
「何か良いことでもありました?」
「え、あ…滝本さん。」
きっと無意識に顔が緩んでたんだろう。
配送に来ていた滝本さんが不思議そうに見ていた。
「あ、えっと…実は商品の発注を任されてしまいまして…初めての大役で。」
「すごいじゃないですか。良かったですね。」
「はい。」
思わず、照れてしまった。
「……………ば、いいと…」
「え?」
滝本さんが何か呟いたのが分からず、聞き返すと…
「もっと笑ったらいいと思います。
…笑った顔の方が似合います。」
またしても滝本はそれだけ言うと、仕事へと帰って行った。
また不意打ち…
心臓に悪いですよ。
私はドキドキしたまま、しばらく裏口で立っていた。