君が笑うなら。。。
~放課後~

帰りのSHも終わり、教室はガヤガヤしていた。
ここからは部活に行くもの、帰路につくものとわかれる。当然、日比野は帰宅部である。

日比野「あーやっと終わったよ。中西、このあとの予定は?暇ならどっか行こうぜ!」

遊びの誘いをする。

中西「わりぃ!今日はバイトなんだわ!」
日比野「え~マジか。なら神田は?」
神田「俺は今日、集会の日だから無理だ。」

集会の日とは神田のゲーム友達と集合してゲーセンに行く日だ。

日比野「相変わらずのゲーマーだな。」
神田「ゲームは俺の人生だ。」

冷静にキリッとした顔で答える。

日比野「そんなキメ顔しても答えは格好良くないぞ。」
神田「まぁ、そういうわけだ。」

ちぇっと少しショボンとした日比野。

日比野「仕方ねぇー、帰るかぁ・・・」

続々と教室を後にする生徒達。
中西と神田と別れを告げ家路につこうとした時、肩をポンっと軽く叩かれる。振り向くとそこには・・・

小林先生「おぃ日比野、どこにいくつもりだ?」
日比野「あ、こばやん・・・」

当然、数学の課題の件である。

日比野「いやぁ~そのぉ~え~と・・・」

言い訳を考える日比野。しかしなにも思い浮かばない。

小林先生「課題の提出期限は?」
日比野「あー・・・今日ですね。」

小林先生は優しい笑顔で白紙のノートを指差す。

小林先生「これはなにかな?」
日比野「はい、ノートです。」
小林先生「そんなのわかってるよ!バカにしてるのか!!」
日比野「いや、これはなにと聞かれたんで素直に答えたまでで・・・」
小林先生「君は素直の意味を履き違えてないかい?」

ハァーっとため息をつきながら首を横にふる小林先生。

小林先生「課題終わってないんだからまだ帰っちゃだめでしょ?」
日比野「えぇ~・・・」
小林先生「はぃ、終わらして職員室に提出しに来てね。」

白紙のノートを日比野に手渡し階段を降りる小林先生。
日比野はガクッと肩を落とした。

日比野「くそぉ。」

日比野は教室に戻り数学の課題に取りかかるのであった。

~30分後~

机にひれ伏す日比野。
問題が未だにひとつも解けていないのである。

日比野「くっっっそ!こんな鬼畜な問題解けるわけねぇよ。」

数学の授業をある程度まじめに受けておけば解ける問題なのだが当然、日比野はそんなに真面目に受けていない。
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