君が笑うなら。。。
第2章 気付き
~職員室~

その後、どうにかこうにか課題を終わらせた日比野。
職員室で待つ小林先生のもとへ。

日比野「こばや~ん。」

小林先生は机にむけていた顔をあげ声のする方向に振り向いた。

小林先生「お、日比野くん。思ったより早かったね。」
日比野「それは皮肉ですか・・・」

疲れきった顔で答える。
笑いながら日比野に答える。

小林先生「ハハハ、そうじゃないよ。ちゃんとやって提出しにきたのはえらいよ。」

そういいながら日比野からノートを受け取る。

日比野「マジで疲れたわ・・・こんなに大変なやつとわ。」
小林先生「まぁ、普段から授業を聞いてれば大変な思いはしないと思うよ。」

笑顔でさらっと皮肉をいう。
あいにくながらもその皮肉に答える余裕などない。
小林先生はノートをパラッとめくりながら中の様子を確かめる。

小林先生「うん、これならOKだよ。もう大丈夫だよ!帰っても。」
日比野「はーい。」

その時、日比野はふと疑問に思ったことを小林先生に聞いた。

日比野「こばやん、杉浦しってるよね?」
小林先生「ん?当然でしょ。」
日比野「杉浦って頭いいの?」
小林先生「そうだね、学年内でトップ10に入るくらいだからね。」
日比野「マジで!!そんなに頭いいのか。」

杉浦は学年内でも有数の優等生である。

小林先生「まぁ、彼女は元から優秀な生徒だからね。誰かと違って手を焼かせないしね。」
日比野「・・・すいませんでしたね。手を焼かせちゃいまして。」

ブスっとした顔で答える。

小林先生「ところで急にそんな事を聞いてどうしたの?」
日比野「えっ?あ~っと、さっき教室で少し教えてもらってさ。」
小林先生「そうなのかい、へぇ~意外なこともあるんだね。」

少し驚き気味に答える。

小林先生「彼女が他人と話をする姿を僕はまだみたことないからね。」
日比野「えっ!!先生も!」
小林先生「そうだね。僕も実は授業以外では話したことないんだよね。」

少し困った様子で答えた小林先生。

小林先生「できればもっとみんなとコミュニケーションを取ってほしいと思ってるんだけどね。なんて僕が言ってもしょうがないんだけどね。それにこれは本人の問題だしね。」
日比野「まぁ、そうっすよね。」
小林先生「まぁ、そういうわけさ。もし君が彼女と話せる仲ならうまいことやってあげてよ。」

そういって日比野の肩をポンッと叩く。

小林先生「それじゃ、気をつけて帰るんだよ。」
日比野「はーい。」

そして職員室をあとにした日比野であった。
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