君が笑うなら。。。
高石「さてそんな日比野くんにお願いがあります。」

両手を口の前で合わせながら日比野を見つめる高石。

高石「日向と友達になってあげてよ。」
日比野「へっ?俺?」
高石「うん、嫌なのかい?」
日比野「嫌じゃないけど、杉浦が俺の事を嫌がるんじゃないか?」
高石「大丈夫。朝の事なら気にしなくていいよ。」

高石はそう言うとメモを取り出した。
そしてメモにペンを走らせる。

高石「みんなの前だと恥ずかしくってああいうこと言っちゃう娘だからさ、それに昨日の帰りに日比野くんの事、楽しそうに喋ってたし、日比野くんなら大丈夫だよ。」

そういうとメモを手渡した。

高石「これ、今日の放課後に私と日向で行くつもりだった場所。」
日比野「ん?いくつもりって、お前、行かないのか?」
高石「大変申し訳ありませんが生徒会なのです。ってさっき言ったよね?」

ニヤッとしながら聞き返す高石。
あ、そういえばと思った日比野。

高石「ホントに話きいてないね、フフフ。」
日比野「で、これはなんだ?」

メモを指を刺しながら問いかける。

高石「代わりに一緒に行ってあげて、私は生徒会が急遽、入ったからって伝言をするついでにね。」
日比野「ぶっ!何で連絡すればいいじゃん!それに俺が一緒に行く意味とかないだろ。」
高石「そんな事ないよ、これも友達作りの第一歩よ。」
日比野「でも行ったら行ったで何で俺ってなるぞ。」
高石「そこら辺はうまい事、ごまかしといて♪」

軽くウィンクををした、高石。

日比野「そこは投げっぱかよ・・・」
高石「それに先に連絡しちゃったらナンパするみたいになって日比野くんが行き辛いでしょ?それに私は少し遅れるって先に言ってあるからそのメモの場所で待ち合わせって風になってるのでそこに直接行ってあげて。」
日比野「それはそれで・・・気まずいような。」
高石「もう!これだから意気地のない男子は困るわ、そうねぇ・・・アシストしてあげるからうまい事、鉢合わせた感じにして一緒に行ってあげて!いい?絶対に行ってあげてね?行かなかった・・・・どうなるんだろうな・・・・」

最後には自分の都合の良いように言われる始末。
そして何か意味ありげな言葉を残した。

日比野「なんかこえぇよ!!分かったよ!!行けばいいんだろ・・・」

しぶしぶ承諾をする。

高石「うん、うん。多少、強引じゃないとあの娘とは話すきっかけもできないだろうし、よろしくね。」

そんなこんなしていると生徒会室の片づけが終わった。

高石「ありがとね、おかげで放課後の準備もバッチリよ!あと日向の事、よろしくね!」

グッドっと親指を立てながら高石は日比野に言った。
こうして放課後、日比野は思いもよらぬ展開で杉浦との用事が入ったのだった。
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