怖い短編集
次にあのイヤガラセメールが

きたのは、

私が自分の部屋で

受験勉強をしている最中だった。






私は着信音に気づいて

スマホを手に取り、

メールを開いて読み始めた。






【美和子さん、

今日も遅い時間まで

受験勉強を頑張っている

のですね。






恵まれた環境にあっても、

さらに努力を重ねる

前向きなあなたが

私は憎い。






あなたはいったい、

自分の未来に

どれほど期待している

のでしょう?






輝かしいはずの未来を

さらに輝かせようとする

あなたのその気持ちが、

私には許せない。






あなたは未来に絶望している

私のことをどう思いますか?






あなたのような人ならば、

努力をして未来を変えなさいと、

前向きな言葉を

私に言うのかしら?
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