怖い短編集
朱美はそう言ったあと、

私の目をじっと見て、

私に訊いてきた。






「美和子、

あなたは武田さんと

決して仲良くはないわよね」






私は朱美にそう言われ、

小さくうなずいた。






「ええ、私は武田さんと

あまり話をしたことは

ないから……」






「だったら、どうして武田さんが

メールの送り主だと思ったの?」






「彼女は私と同じ

K大学の医学部を

目指していたし、

彼女は家庭の事情で

夢をあきらめなくては

ならなかったから……」
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