怖い短編集
〈 何なの、このメール…… 〉






私はそのメールを読んだあとに、

寒気がして体か震えた。






このメールの送り主は、

自分の恵まれない境遇と

私の今の境遇を比べて、

逆恨みをしていた。






私には憎まれなくてはならない

理由がなかったが、

このメールの送り主は、

そんなことは、おかまいなしに

本気で私を憎んでいた。






〈 いったいこのメールの

送り主は、誰なの? 〉






私がそう思ったとき、

私の頭の中に

クラスメイトの武田薫の顔が

思い浮かんだ。






〈 やっぱりこのメールの

送り主は、

武田薫じゃないかしら? 〉






私に確信はなかったが、

私の頭の中には、

彼女以外の名前が、

思い浮かばなかった。
< 136 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop