怖い短編集

しばらくの間、
争いが続いて、
いつものように
父が家から出ていくと、
僕は
母と二人で家に残された。




僕の体は、
ひとりでに
カタカタと震え出していた。




泣きはらして、
真っ赤になった
母の目が、
部屋の隅に座っていた僕に向けられ、
僕はゾッとして、
身を堅くした。




母は鬼の形相で
僕に近づいてきていた。
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