怖い短編集

部屋の隅で屈んでいた僕の顔に、
母の蹴りが飛んできた。




僕は壁に
勢いよく頭をぶつけ、
僕の目から火花が散った。




僕の服の上に
鼻血が
ポタポタと落ちて、
僕のシャツが
赤く染まった。




僕は鼻を押さえながら、
母の顔を見上げた。




母は泣きはらした赤い目を
僕に向けていた。




母の恐ろしい顔から、
僕は
憎しみしか感じなかった。
< 48 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop