怖い短編集
ある日僕が、
いつものように
公園のブランコに向かうと、
二つしかないブランコの一つに
僕と同じくらいの歳の女の子が座っていた。
その女の子は、
下を向きながら
静かにブランコを揺らしていた。
そして僕が
その女の子の顔をよく見ると、
その女の子の右頬には、
殴られたあとのような
大きなアザがあった。
どうしてこの女の子の右頬に
こんなアザがと
僕は思ったが、
僕はそんなことを口にはせずに、
女の子の隣りのブランコに座り、
下を向いた。