怖い短編集
僕と明日香が、
ブランコに座りながら、
話し続けているうちに
やがて日が暮れて、
僕が家に帰らなくてはならない時間がやってきた。
僕のお腹は、
今日もやはり
キリキリと痛み出した。
「僕、もう家に帰らなくちゃ……」
僕はそう言って、
ブランコから降りて
立ち上がった。
「徹くん、
明日もこの公園のブランコで会おうね」
明日香が笑いながら、
僕にそう言った。
「うん、明日香ちゃん。
僕たち、明日もこの公園のブランコで会おうね」
僕はそう言って、
明日香に笑いかけた。
僕は痛むお腹を押さえながら、
公園の出口まで行くと、
明日香がいるはずのブランコの方を振り返った。
でもそこには、
さっきまでいたはずの明日香の姿がなかった。
明日香はどこへ行ったのか?
僕は公園中を見回したが、
明日香を見つけることはできなかった。