怖い短編集
僕の体にできるアザも
日増しにひどくなっていった。
母の憎しみは、
家の中で一番の弱者である
僕に向けられた。
僕は誰かに
助けてもらいたかった。
もう限界だと、
僕の心は
悲鳴を上げていた。
僕はなぜ、殴られるのだろう?
僕はいい子でいようと
思っているのに……。
僕は母に、
逆らうつもりはないのに……。
弱いということは、
きっと悪なのだと、
僕はぼんやりと思った。
僕は、きっと弱いから
こんなに殴られるんだって……。