怖い短編集

僕は家を飛び出すと
いつもの公園に向かって走った。




そして僕が、
いつものブランコがある場所に行くと、
今日もやはり
明日香がいた。




僕は、息を切らして
明日香が座っているとなりのブランコに座った。




「徹くん、
そんなに慌て、どうしたの?」




明日香が、
汗だくの僕の顔を見て言った。




「僕の家が大変なことになってて、
いつものように
お父さんがお母さんを殴って
お母さんが食器棚に投げ飛ばされたときに、
食器棚からたくさんの食器が降ってきて、
その食器の破片で
お母さんが
手のひらを切って……」




「それで、徹くんのお母さんは
大丈夫だったの?」




「今日のお母さんは、
いつもと様子が違うんだ。


あのまま僕が家にいたら、
恐ろしいことが起こりそうな気がして、
僕はここに逃げてきたんだ」




「徹くんのお母さん、
そんなにいつもと違ってたの?」




「うん、今日のお母さん、
普通じゃなかった。


僕は怖くて、
家にいれなかった。


お母さんの目が、
正気じゃなかったから……」
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