君と私の物語
親友
君は覚えている?

私達が出会ったあの暑い夏の日を。

「凛乃~さやか~帰ろう!!」

「ごめん!!これから部活があるの~」

申し訳なさそうに謝ってくるのは親友の、前田 凛乃(まえだ りんの)だ。

凛乃は、明るくてクラスのムードメーカーそれに運動神経抜群となんでもできる自慢の友達。

「大丈夫だよ、さやかは?」

「ごめんね、私は生徒会の打ち合わせがあるの」

こっちは、親友の富田 さやか(とみた さやか)だ。

さやかは、頭が良くておとなしい学級の役員や生徒会などの仕事を引き受けている優等生だ。

「じゃあ2人とも頑張ってね!」

「唯ありがと!部活頑張る!バイバイ」

「気を付けて帰ってね」

そう言って、一人寂しく教室を出た。

一人で帰るの何て何カ月ぶりだろう?

一人になると、いつも以上に寂しさがこみあげてくる。

ああ、あの空っぽの家に今日も帰るのか、、、、。

そう思うと気が重くなり、足が思うように速くは進まなかった。

いつもならこんなこと、考える間もなく家に着くのにな。
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