君と私の物語
「唯おはよ」

「凛乃おはよう」

教室につくと、いつも凛乃が一番にあいさつしてくれる。

私にとって凛乃はかけがえのない存在だ。

「唯昨日は一人で大丈夫だった?」

さやかの言葉にドキリとする。

まるで昨日泣いていたことを、見透かされたような気持ちになった。

「うん、大丈夫だったよ」

精いっぱいの笑顔でそう言うと、さやかはにこっと笑って返してくれた。

良かった、バレなくて。心の底からそう思った。

それから授業が始まったが、昨日の事があったせいなのかまったく集中できなかった。

学校が終わり、今日は三人で帰った。

下校途中も笑っていたが、本当は話し何て全然耳に入ってなかった。

ただ、、ただ、頭の中に浮かんでくるのは。

『唯の事は何も心配してない』その言葉だった。

ああ、私の事は心配してくれないんだ。

わかってはいたが、いざその言葉を聞くとキリッと胸が痛んだ。

そして、痛みは全然良くならない。むしろ昨日より痛くなってる。
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