爽やか男子の裏の顔



一部記憶障害



医者から言われたのは


この病気だった。



あの事故で


間一髪のところで


男の子が


わたしを突き飛ばして


ひかれることはなかったのだが


倒れた時に頭を打ったわたしは



記憶をなくしてしまった。


男の子との記憶を。




それからというもの


男の子とわたしは


一緒にバスケをすることもなくなった。


私が彼と接しようとすると


頭に激痛が走る。



過去のことを思い出そうとして



それが拒否反応を起こしているかのように。



男の子は気づいた時には、


引っ越してしまった。



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