笑う門には福来たる!!
しばらくして、芹沢らが大阪へ行き


大阪相撲と揉め事を起こし帰ってきた





そのお詫びを兼ねた





相撲大会

土俵の横に、舞台が作られ

そこで誠十郎が舞を披露することとなる


「北野 君菊と申します
よろしゅうに」


その美しさに、誰もが魅入る

誠十郎の家族も来ていたが、君菊が誠十郎だとは気づかなかった


「無愛想ですんまへん」

「愛想笑いよりは、いい!!」


大阪相撲の力士らが、喜び

芹沢の為、大役を果たせたと

誠十郎も喜んだ

今日は、土方が誠十郎を送る



「お前…それ、喜んでんのか?」

「すげぇホッとしてる!!良かった!!」


全く表情が変わらないけど、言葉から
誠十郎が喜んでいることがわかり

土方は、誠十郎に微笑む


「初めて見たかも…すげぇ嬉しい」

「あ?何がだ?」

「土方さんが笑うとこ!!見たことない
ほら、ここにこうして、こんな顔してるから!!」

眉間に皺を寄せ、目つきを鋭くする


「んな顔か?」

「うん!最初、怖い人かと思ったよ」

「はっはっはっ 全然ビビってなかったじゃねえか!!」

「えぇーービビってましたよ!!」

「このやろ!!」

「土方さん… 」

急に、誠十郎が改まった

「芹沢さんのこと、大目にみてくれて
ありがとう
俺… 芹沢さんが酔って何するか
心配なときがあるんだ」

「誠十郎がいれば、芹沢さんは、酔わねぇのになぁ
なるべく、会いにこいよ!」

「はい」


通いの女中を雇ったので、腕を怪我して以来、誠十郎は屯所に行っていなかった



「誠十郎」

「ん?」

「総司は、お前より酷かったよ
今は、あんなにヘラヘラ笑うが…
見てて痛いくらいだった
お前も、笑えるようになるさ」

土方がにかっと笑う



「総司が俺を笑わせてくれるそうですよ」


「そうか、笑えるといいな?」


「そうですね…
もう、笑えないと思ってましたけど
笑えるかもしれないですね
見送りありがとうございます」


「あぁ 明日、山崎のとこに来いよ」

「あーそうでした
また明日」

あからさまに項垂れてから、中に入る



「わかりやすい奴…」



ふっと笑い

土方は、屯所に向け歩き始めた


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