笑う門には福来たる!!
翌日

怪我の治りを見せるために、誠十郎が屯所に来た

「芹沢さん!!」

しっかりと芹沢にしがみつく誠十郎を見て

山崎が呆れる

「ホンマ、どんだけ医者嫌いやねん!!」


傷の具合がよく、抜糸した


「いでぇ…」

芹沢が誠十郎をトントンとあやす

「もう、終わるぞ!!頑張れよ!!」


意外な一面だと思って、山崎が芹沢を見る

大事な子供でも見るような目で、誠十郎を愛おしむ


〝もしかしたら、芹沢さん変わるかも〟


山崎が誠十郎の存在に期待した日だった
















大阪相撲で、舞を披露したことにより

北野の君菊が別嬪だと、噂になった

男達が、一目でいいから君菊を見たいと

騒ぐようになった


その余りの人気ぶりが、ついに将軍にまで届いた


誠十郎が君菊として、舞を披露しに二条城へ行くことになった


警護を浪士組がまかされた


「君菊、どうした?」

「いや…その、いいのかな…笑わないから、怒られないかなって…」

「しゃべり方、気を抜くな!!
男だってバレるぞ?」

「へ?はぁ そうどすね」

土方の目にも、誠十郎が緊張していることがわかる

「気負うことはねぇ!いつもどおりやれ!
笑わなくても、綺麗だし
あっ… ///// 俺らがついてるからな!」

照れ隠しに、土方が誠十郎の肩をバシッと
叩く

「怪我治っておへん!痛いやないどすか」

「あ すまん」

「おおきに、少し落ち着きましたえ」


真っ直ぐに見据えられ、土方がさらに照れる

「くっそおーー男にしとくにゃもったいねぇ!!」

「はいはい、おおきに」

軽くあしらわれた土方であったが

君菊が自信を取り戻し、凛とした立ち居振る舞いに戻ると

自然に口元が緩んだ

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