笑う門には福来たる!!
幹部らが、それぞれ誠十郎のコトを
考え夜が明けた


翌日



長く続いた雨が上がった




浪士組は、早朝より二条城へ出向いた

将軍を御所まで警護するためだ








御所にて


舞を披露する為、呼ばれていたのは

「北野 君菊で御座います」


誠十郎だった


いつもながらの美しい舞を披露し

舞台を降りる時だった


バタン


誠十郎が倒れた

土方と沖田がそばに行こうとするが

「ならん!!」

芹沢に止められた


誠十郎は、御所の者に抱えられて行った


浪士組幹部らが、ヤバイと冷や汗をかく


「女装して舞を踊るだけ、罪に問われることはなかろう?」

「それは、そうですが……」


倒れる原因を作ったのは、お前だろう

という目で、土方が芹沢を見る


「うまくやるだろう、案ずるな」


にやりと笑う



土方は、掌に爪が食い込むほど

拳を握り、怒りにたえた



〝誠十郎をあんなに可愛がっていたのに
誠十郎を裏切りやがって〟




ひたすら、この仕事が早く終わるように

願いながら、やり過ごす



屯所に戻ってから、土方が芹沢に言った


「禁酒してくれねぇか!?」

「断る」

「良くねぇ噂だって聞く、これ以上勝手な振る舞いは、局長といえど我慢ならねぇ」

「ほう?儂にそんな口をきくようになったか?」

「誰だろうと、浪士組の存続を危うくするなら、俺は立ち向かうだけだ」

「ふんっ 言っていろ」


芹沢は、さほど相手にもせず

八木邸へ


「チッ 酒辞めろってくれぇで
何だってんだ!!」


その夜、近藤と話し合い

局中法度を作った




翌日、広間に掲げられたそれを見て



「ふぅ~ん、まぁ僕には関係ないね」



沖田が言った










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