笑う門には福来たる!!
屯所に戻ると、誠十郎がいて
土方と沖田が驚く
「反応からして、店に行ったようだな?」
思わぬ出来事に、二人に冷や汗が
「口止めしようと思って…
俺が君菊であることや、北野で暮らしてること
言わないで欲しい」
「誠十郎が楽しくやってるなら、いいよ
だけど、誠十郎…辛そうな顔してる
そんなんじゃ、笑えるようにならない!」
「いいよ
もう、笑いたくないから」
「逃げんのか?嫌なことがあるからって
諦めて… いつまでもそうしてるのか?」
「お前ら、過保護な上にお節介すぎ
俺がどう生きようと勝手だろ?
別に、悪事働いてる訳じゃねぇだろ!!
やっと見つけた居場所なんだ…
お前らに荒らされたくない
もう、来んな!!」
「居場所…
誠十郎の居場所は、ちゃんとあるじゃないか?後を継がなくても、あそこは誠十郎の家で、血の繋がった家族なのに
ご両親がどれだけ心配しているか」
「だから、出て来た
居なくなれば、心配もなくなる
どうせ、いても役に立てない
血が繋がっていても、俺は… 」
言い掛けてやめた
誠十郎が鼻に手をやると、その手に血が
すぐに手拭いで鼻を押さえる
「知られたくない…
俺が、君菊だと知ったら…
うっ ふぅ ケホッ」
よほど、心労を重ねているのだろうと
土方が背中を擦る
「鼻血が止まるまで、休んでろ」