笑う門には福来たる!!
「こんにちは~」

診療所の方に、声をかけたが誰も出て来ない


庭の方に回ってみる




シュッ   パシッ



振り下ろされた木刀を受け止めた

「危ねえなぁ、相変わらずだな?誠十郎」

「土方さん!!総司!!
来るなら、玄関から来てよ!!
怪しい人だと思って、怖かったんですよ」

「木刀で立ち向えるくらいなら
心配ねぇだろ?」

「誠十郎!!お久しぶり!!
会いたかったんだよぉ~」

「ふぎゃあ~」

「あら、起こしちゃった…
あっ、抱きます?」

「おう」


土方が誠十郎を抱きしめる


「いや、うちやない
子供の事です」

「わかってる
でも、ずっとこうしたかった」

「おじゃましまぁーす!!
わぁ!可愛い!!よいしょ!
土方さんにそっくりですねぇ!!」


抱き合っている二人をほったらかして
土方よりも先に、沖田が赤子を抱き上げた


「あ!総司!!
俺より先に、ずりぃぞ!!」

「誠十郎と遊んでて下さい!
もう、まだ抱っこしたばかりです!」


赤子を取り合う二人を見て、微笑む


「なんや、父親が二人おるみたい
ところで、なんでここがわかったん?」

「山崎に明里の後をつけさせた」

「山南さんに髪をあげたでしょ?」

「それで、ばれるとは…
さすが!新選組ですね!」

「髪、俺が持ってる」

「うん、持ってて…誠~父上ですよ?」

頬をつつくとニコニコする

「笑った!!すげぇ、わかるのか!?」

「土方さん…母上につつかれて嬉しかったんですよ!?そろそろ僕に返して下さい」

「お前のじゃねぇだろ!?」

「先に抱っこしたのは、僕です」

「総司!!熱あるんやない?」

「よくわかりますね?
微熱が続いているんですよ!」

「先生に診てもらお?」

「自分は、医者嫌いでよく言うな?」

「うちは、ええんや!!
総司、先生呼んでくる!!」

「その必要は、ありません
先日、労咳だと診断されました」

「…労咳」

「ええ、お薬も飲んでいます」

「土方さん、あれはしたん?」

「なんだ?」 

「もう!!」

ちゅっ


「よし!これ労咳にきくんやろ?」


誠十郎が沖田の頬に口づけをした


真っ赤になり、固まる沖田

顔を引き攣らせる土方

「母上が浮気してるぞ…」


「アホなこと言わんといて!
あ!土方家のやから、土方さんがいるはずです!ほら、土方さん!!」


ちゆっ


「て……照れますね」

「そうやろ?総司!?うちも、照れた
でも、これでちゃんとお医者のいうこと
きいてたら、治るはずや!!」


「うん!!治りますよね!!」


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