甘く切ないキスをして*1周年記念短編*
視界に映るのは、いつもの天井と柚くんのドアップだけ。
「ゆきく………………っん」
最後まで言葉を発する前にあたしは強く唇を塞がれた。
「ゆ…きくん……?」
「呼べよ。」
………え?
「柚って呼べってずっと言ってんじゃん。
なんで清水のことハルくんなんて呼んでんだよ。
清水はお前のダチの彼氏じゃねーのかよ。」
苛立ったようにそう言う柚くん。
もしかして………
「柚くん、ヤキモチやいてる?」
そう言うと柚くんはぷいっとそっぽを向いた。
「ふふっ。柚くんかわいー。」
そう笑ったあたしの唇を柚くんはまた乱暴に塞いだ。
絡まれた手と手が熱い。
「ん……ゆきくん……」
徐々に薄れていく意識の中
「綺羅。」
あたしを呼ぶ声だけは鮮明に聞こえた。