強く儚く
「わかった。総司に任せよう」
「近藤さん!」
土方さんがすごい剣幕で、近藤さんの肩を掴む。
多分私が沖田さんの側にいるのが気に入らないんだろう。
だが近藤さんは首を横に振った。
トシ、と小さく名を呼んで。
「総司は確かに一番隊組長だし、強い。私は暫く、総司に任せようと思う。異論はないな?」
これはちなみに局長命令だ、という近藤さんに逆らえられないのだろう渋々土方さんは認めた。
他の人たちも近藤さんの命令なら……と認めざるを得なかったようで。
「局長命令というが、神崎くん。君は総司の命令に従ってもらうよ。君の服装といい怪しいのに変わりはない。総司の判断に任すが君が怪しいところを見せれば総司が居なくても斬る。総司もそれでいいね」
「わかりました。近藤さん、ありがとうございます」
頭を下げた総司に、私はどうして…と言いかけたのを止めた。
信じられなかった。
だって、考えられる?
私は長州の輩だという風に演技までしたんだよ?
なのにどうして余地を与えるの?
信じらんない。
なんてお人好しなの、と私は思う。
「近藤さん!」
土方さんがすごい剣幕で、近藤さんの肩を掴む。
多分私が沖田さんの側にいるのが気に入らないんだろう。
だが近藤さんは首を横に振った。
トシ、と小さく名を呼んで。
「総司は確かに一番隊組長だし、強い。私は暫く、総司に任せようと思う。異論はないな?」
これはちなみに局長命令だ、という近藤さんに逆らえられないのだろう渋々土方さんは認めた。
他の人たちも近藤さんの命令なら……と認めざるを得なかったようで。
「局長命令というが、神崎くん。君は総司の命令に従ってもらうよ。君の服装といい怪しいのに変わりはない。総司の判断に任すが君が怪しいところを見せれば総司が居なくても斬る。総司もそれでいいね」
「わかりました。近藤さん、ありがとうございます」
頭を下げた総司に、私はどうして…と言いかけたのを止めた。
信じられなかった。
だって、考えられる?
私は長州の輩だという風に演技までしたんだよ?
なのにどうして余地を与えるの?
信じらんない。
なんてお人好しなの、と私は思う。