強く儚く
やがて人通りも減り、真っ暗な闇に包まれた頃だった。
さすがに私自身怖くなった。
私を殺してくれる人が現れたなら、ぜひ殺してくださいというところだけど。
あいにくこの寒さだとそれは難しいみたい。
寒いと言っても少しひんやりするくらいだろうか。
何も分からないまま歩いて、ふと見上げればそこには桜がひらひらと咲いていた。
「桜……」
日本の象徴を思わせる桜。
私の家の近所に、こんなに綺麗で美しい桜があっただろうか。
ひらひらと舞い散る桜に見入っていると微かに砂を踏む、足音が聞こえた。
「……」
ゴクリと思わず生唾を飲み込む。
月明かりと共に闇から現れたのは、浅葱色の羽織を見にまとう、二人の若い青年だった。
刀を腰に差し、白いダンダラ模様が目立つ中…私は密かにここが江戸時代ということを確信してしまった。
(「この人たちは、見覚えがある。歴史で習った……新選組だ」)
新選組は江戸時代、幕末に生きた京の治安維持を守るために結成された組織。
彼らがいるということは間違いなくーここは過去の世界。
ここでなら、きっと。
私を容赦なく殺すはず。
私はじっ、と見つかるのを待つがそう数分も見つかるのはかからなかった。
さすがに私自身怖くなった。
私を殺してくれる人が現れたなら、ぜひ殺してくださいというところだけど。
あいにくこの寒さだとそれは難しいみたい。
寒いと言っても少しひんやりするくらいだろうか。
何も分からないまま歩いて、ふと見上げればそこには桜がひらひらと咲いていた。
「桜……」
日本の象徴を思わせる桜。
私の家の近所に、こんなに綺麗で美しい桜があっただろうか。
ひらひらと舞い散る桜に見入っていると微かに砂を踏む、足音が聞こえた。
「……」
ゴクリと思わず生唾を飲み込む。
月明かりと共に闇から現れたのは、浅葱色の羽織を見にまとう、二人の若い青年だった。
刀を腰に差し、白いダンダラ模様が目立つ中…私は密かにここが江戸時代ということを確信してしまった。
(「この人たちは、見覚えがある。歴史で習った……新選組だ」)
新選組は江戸時代、幕末に生きた京の治安維持を守るために結成された組織。
彼らがいるということは間違いなくーここは過去の世界。
ここでなら、きっと。
私を容赦なく殺すはず。
私はじっ、と見つかるのを待つがそう数分も見つかるのはかからなかった。