強く儚く
「あんたが、こんな時間にいたっていう女か?」

部屋に入ってすぐに。
眉間のシワがすごい男に聞かれた。

「……ええ、そうだけど」

沖田さんのおかげで苛々好調な私は、ぶっきらぼうに返事した。

周りには、未来の女子が好むイケメンな男ばかり。

中には可愛い系もいるが。

私にはどうでもいい。

「……なるほど、で?あんたの名は?」

「自分は名乗らないのに、人に先に言わせるの?」

「な!」

プルプルと肩を震わせる彼。
ま、なんとなくは分かってるけど……。

挑発すれば中央に座る人柄が良さそうな人がまあまあと宥める。

「確かに、この子の言う通りだ。私は近藤勇だ。眉間のシワがすごいのは土方歳三。で、私の左隣が「山南敬助です。よろしくお願いします 」

「どうも。神崎焔です」

新選組幹部三人か。
というか、なんで私殺されないんだろう?

早く殺してほしいんだけど…。

殺せとコールしていると、それで……と山南さんが聞いてくる。

「あなたはどこの生まれなんですか?見たところ、洋装のような服装ですが」

来た。

この場合、どうしようかしら。
素直に話しておくべき?

でもわざと濁した方が殺しやすいかしら?

私は、彼らを見ると何処だと思う?と逆に聞き返す。
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