突発性恋患い

「で、織生。転校生ってどんな子だと思う?
優しいかなぁ、タイプかな?」

ちょっとびっくりした。それもそうだ。
……なんか朝会っちゃった。…言えない。
悪気は無いだろうけど、結愛も、随分と単刀直入に聞いてきた物だ。

「や、優しい子だと良いね。」

思わず片言になってしまった。
だけど、よく考えてみると、転校生の名前も性格も知らないし、ましてや結愛のタイプかどうかなんて、知る由もない。
何焦ってるんだろう、私。

「男子かな、女子かな?楽しみ!」

流石にそれは分かる。boyでした。
…どうも話しづらい。まぁ、当然か。
神様、どうか早くHR.始まってください。お願いです。

「どうしたの、大丈夫?織生。」

私、全然大丈夫じゃないんだけど…。

不運にも、その日のHRは、少し遅かった。



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