落ちてきた天使
中垣晃さんは皐月の中学からの友達。


今日もいつも通り皐月が夕飯を作ろうとキッチンに立った時、中垣さんから【呑みに行こう】とメールが来た。


私は今日バイトが休み。
自分の夕飯ぐらいなんとかなる。


皐月に『行ってきなよ』と提案したけど、『彩も行くなら行く。行かないなら行かない』と子供みたいなことを言われてしまった。


私が行くのもおかしな話。
『なんでよ。たまには友達と息抜きしてきて』と言っても、『無理。彩を一人にするなんて出来ない』の一点張り。


こうなると、皐月が全く聞く耳を持たないことぐらい百も承知だ。


今まで人と関わることを避けて来たから、初対面の人と食事するなんて本当はやめておきたかったんだけど。


ここまで言われたら行くしかない。


だって、私のせいで皐月が交友関係を疎かにしてほしくないから。



それに、初対面の男性とご飯とはいえ皐月がいるし。


中垣さんがあの赤い三角屋根のパン屋の現店主さんだと聞いて、行ってみてもいいかなっていう気にもなった。





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