落ちてきた天使
「だから彩ちゃんと暮らし始めたって聞いて俺は安心したわけよ」

「あの…暮らし始めたって言っても、次のアパートが見つかるまでなんですが」



暮らし始めただけで安心されても困る。


そりゃ皐月に結婚しよう的な事は言われたけどまだ返事してない。


というか、私はまだ高校生で結婚なんて考えられないし、そもそも付き合ってもないのに二人とも気が早過ぎる。



「あ?次のアパート見つかるまでって、何言ってんの?」



私の期間限定同棲宣言に、皐月はあからさまに機嫌が悪くなった。


さっきまで中垣さんの発言にあわあわしてたくせに。



「何って、言葉の通り。最初っからアパートが見つかったら皐月の家出て行くつもりだったし」



不動産屋さんは同じぐらいの家賃のアパートに空きが出たら連絡くれるって言ってた。


そんなに早く空きは出ないだろうから皐月の家にその間お世話になるつもりだけど、ずっと居座るつもりはない。



「そんなの認めるわけねぇだろ?」

「皐月に認められなくても出ていく気持ちは変わらないよ」



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