落ちてきた天使
「遅ぇよっ……」
焦がれたような掠れた声。
苦しい……
皐月が愛しすぎて、辛い。
「どんだけ待たせんだよ……」
「……ごめんね」
皐月は私の両頬を大きな手のひらで包んで上を向かせると、コツンと額を合わせた。
「これ以上待たせるようなら、強行突破するとこだった」
「強行突破?」
「無理矢理俺のものにする」
「それ犯罪だよ?」
「お前が待たせるのが悪い。俺のこと好きなの隠せてないくせに焦らすとか」
「隠せてないって、いつから気付いてたの?」
「お前が気付くずっと前。まじ拷問。俺が我慢しなきゃ今頃お前、俺のベッドの上でぐったりしてたとこだぞ」
ベッドで……ぐったり……
皐月の言わんとしてることがわかって、カッと顔が熱くなる。
せっかく少しずつだけど心臓が落ち着いてきたのに、皐月のせいでまた早鐘を打ち始めた。
「……帰るぞ」
「え⁈」
皐月はふと難しい顔をすると、突然私の手を引いて歩き始めた。
「どうしたの?急に」
「早くお前を抱きたい」
「ーーーっ‼︎」
だ、抱きたい⁈それってつまり……
お互い何も話さない。
訪れた緊張に、何を話せばいいかわからなくなった。
皐月はただ真っ直ぐ前だけを見て進む。
その横顔は真剣そのもので、皐月は本気なんだと感じた。
緊張と期待、そして不安。
複雑な感情が胸を渦巻く。
この先は、未知の世界。
まだ心の準備も出来てない。中途半端な気持ちで踏み込んでもいいのーーー?
焦がれたような掠れた声。
苦しい……
皐月が愛しすぎて、辛い。
「どんだけ待たせんだよ……」
「……ごめんね」
皐月は私の両頬を大きな手のひらで包んで上を向かせると、コツンと額を合わせた。
「これ以上待たせるようなら、強行突破するとこだった」
「強行突破?」
「無理矢理俺のものにする」
「それ犯罪だよ?」
「お前が待たせるのが悪い。俺のこと好きなの隠せてないくせに焦らすとか」
「隠せてないって、いつから気付いてたの?」
「お前が気付くずっと前。まじ拷問。俺が我慢しなきゃ今頃お前、俺のベッドの上でぐったりしてたとこだぞ」
ベッドで……ぐったり……
皐月の言わんとしてることがわかって、カッと顔が熱くなる。
せっかく少しずつだけど心臓が落ち着いてきたのに、皐月のせいでまた早鐘を打ち始めた。
「……帰るぞ」
「え⁈」
皐月はふと難しい顔をすると、突然私の手を引いて歩き始めた。
「どうしたの?急に」
「早くお前を抱きたい」
「ーーーっ‼︎」
だ、抱きたい⁈それってつまり……
お互い何も話さない。
訪れた緊張に、何を話せばいいかわからなくなった。
皐月はただ真っ直ぐ前だけを見て進む。
その横顔は真剣そのもので、皐月は本気なんだと感じた。
緊張と期待、そして不安。
複雑な感情が胸を渦巻く。
この先は、未知の世界。
まだ心の準備も出来てない。中途半端な気持ちで踏み込んでもいいのーーー?