落ちてきた天使
「サボりか?」
「うひゃっ!」
突然、後ろから頬に凄く冷たい物を当てられて私は小さく飛び上がった。
すぐさま振り返るとケラケラ笑う皐月がいて、手には缶コーヒーが二つ握られている。
「もう!ビックリするじゃん!」
「悪い悪い。暗〜い顔してたから元気付けてやろうと思って」
皐月は私の隣りに座ると、「ほらっ」と持っていた缶コーヒーを私に差し出す。私がそれを受け取ると、もう一つの自分のコーヒーのプルタブをプシュッと開けて喉に流し込んだ。
「何かあった?」
「へっ…⁉︎な、何かって?」
「さっき難しい顔しながら施設長と話してたろ?」
「あ、ああ……あれねっ、あれは……」
缶コーヒーを受け取った時、無造作にベンチに置いた進路調査票を自分のお尻の下に隠す。
まずい。
皐月に頼らずにまずは自分で考えてみようって思ったばかりなのに。
皐月は勘が鋭い。
その瞳に見つめられると全てを見透かされてる気がして、私は視線を彷徨わせた。
「む、難しい顔なんてしてたかな?明日の話してたの。楽しい一日になるといいですねって」
「……本当に?」
「うん!私も楽しみなんだ!こういうこと今まで積極的に参加してこなかったから。ほら、文化祭とか体育祭とか。だから、明日は絶対成功させたいの」
誤魔化すために出た言葉だったけど、それは私の本心だ。
今まで、文化祭なり体育祭なり盛り上がる行事は全て目立たない裏方に徹した。当日は保健室に逃げたり休んだりして、楽しい思い出なんて何一つない。
だから、こうして準備から参加出来て、ずーっと心が踊ってる。
何か一つの事を成功させるために誰かと協力する、皆の笑顔に囲まれて、自分も心の底から笑って。
幸せだと思う。凄く、凄く。
「うひゃっ!」
突然、後ろから頬に凄く冷たい物を当てられて私は小さく飛び上がった。
すぐさま振り返るとケラケラ笑う皐月がいて、手には缶コーヒーが二つ握られている。
「もう!ビックリするじゃん!」
「悪い悪い。暗〜い顔してたから元気付けてやろうと思って」
皐月は私の隣りに座ると、「ほらっ」と持っていた缶コーヒーを私に差し出す。私がそれを受け取ると、もう一つの自分のコーヒーのプルタブをプシュッと開けて喉に流し込んだ。
「何かあった?」
「へっ…⁉︎な、何かって?」
「さっき難しい顔しながら施設長と話してたろ?」
「あ、ああ……あれねっ、あれは……」
缶コーヒーを受け取った時、無造作にベンチに置いた進路調査票を自分のお尻の下に隠す。
まずい。
皐月に頼らずにまずは自分で考えてみようって思ったばかりなのに。
皐月は勘が鋭い。
その瞳に見つめられると全てを見透かされてる気がして、私は視線を彷徨わせた。
「む、難しい顔なんてしてたかな?明日の話してたの。楽しい一日になるといいですねって」
「……本当に?」
「うん!私も楽しみなんだ!こういうこと今まで積極的に参加してこなかったから。ほら、文化祭とか体育祭とか。だから、明日は絶対成功させたいの」
誤魔化すために出た言葉だったけど、それは私の本心だ。
今まで、文化祭なり体育祭なり盛り上がる行事は全て目立たない裏方に徹した。当日は保健室に逃げたり休んだりして、楽しい思い出なんて何一つない。
だから、こうして準備から参加出来て、ずーっと心が踊ってる。
何か一つの事を成功させるために誰かと協力する、皆の笑顔に囲まれて、自分も心の底から笑って。
幸せだと思う。凄く、凄く。