お姫様はメイド服!?
「でわ,行きましょう。」

そう言うレオンの首には,カグヤも貰ったお花の御守りが掛かっていた。

「うん…」

カグヤも,御守りを首にかける。

2人は,大勢の中を歩いた。
その間,たくさん握手をして,手を振って…
「有名人みたい…。」

そう呟いたカグヤに,レオンは空かさず,

「あなたは有名人です」

と訂正した。

「そうだったね…」

アハハと笑うカグヤ。

「怖いですか?」

無理して笑っている事に気付いたレオンは,そう聞いた。

「…いや,怖くわないわ…。
ただ,あたしは女王姫なんだぁって…思っただけ。」

今日,こんな大勢を前にして,女王姫の自覚を初めてした。
そっと,胸元のお花の御守りを触る。

「皆に守られているあたしは,とても幸せなんだって…
だから,失敗なんてしない。」

強く目を閉じるカグヤ。

「当たり前です。」

レオンの言葉に,閉じた目を開き笑った。
< 106 / 240 >

この作品をシェア

pagetop