お姫様はメイド服!?
「そっかぁ…」

また,静かな時間が流れた。
なぜか,2人は話そうとしなかった。
話題を考えようともしなかった。
静かな時間が,心地良かったのだ。


隣りにレオンがいるだけで…
隣りに姫がいるだけで…

心が癒される…



1時間ほど走った時,遠くに旗を見つけた。

「姫…ここから,ルーオール国です。」

旗には,目玉が三つあるドラゴンが,赤をバックに書かれている。

嫌な感じ…

入ってすぐ,カグヤはそう思った。
町の中には,至る所に,眉間に皺を寄せた兵隊が立っている。
活気が無い,静かな町だった。
子供の笑い声さえ聞こえない。

カグヤは,無意識にレオンの方へ馬を寄せた。

長く続く道の向こうには,この町を見張るように,でかい城が立っている。

こんな町にしているルーオールの王を,カグヤは睨むように,城を見上げた。
< 108 / 240 >

この作品をシェア

pagetop