お姫様はメイド服!?
ギギィと,錆び付いた音を出して,大きな扉は開いた。

城の中は,久桜城と比べてものすごく古い…というか…

「汚い…」

「姫!」

小さく言った言葉は,隣りのレオンに聞こえていたようだ。
叱られたカグヤは,舌を出して笑った。

「ひッ…レッ…レオン!あれ!」

急に悲鳴をあげたカグヤは,レオンの背に隠れて,床を指差した。

「どれですか?」

「あれだってばぁ!」

目に涙を溜めて言うカグヤに,レオンはまさかと床を探した。

「やっぱり…」

“それ”を見つけたレオンは,カグヤに笑いかけた。

「大丈夫です。俺がついてますから。」

さすがのレオンも,2度も“それ”を退治はしたくなかった。
もうおわかりだと思うが,“それ”とは…ゴキブリの事だ。
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