お姫様はメイド服!?
「ようこそ。
耶桜の国の姫と,その使いの者。
良き歓迎ができぬ事を許してくれ。」

大きなソファにふん反り返っているバーレを,カグヤは一瞬で嫌いになった。

このオヤジ…偉そうにしやがって…

「耶桜の姫よ,そこに座りなさい。」

バーレは,真ん前にあるソファを指差した。

「いえ,立っています。」

ニコやかに,そう言ったカグヤ。

「そうでしたか…
おっと,申し遅れましたが,私の名は,バーレ・トルローレイ。
見ての通り,この国の王じゃ。」

「私は,耶桜国の姫。
天草 姫久耶です。
彼は,私の使いのレオン・フォートニード。
この国には,交渉をしたくて参りました。」

最後まで,噛まずに言えたカグヤは,ホッと溜め息をついた。

「交渉とは?」

そう言ったバーレの右眉が,ピクッと上がった。
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