お姫様はメイド服!?
「まぁいい。
お前,名は何といったっけな?」

ギュッと拳を握り,バーレを睨むカグヤ。

「お前に名乗る名なんてない…」

少し考えたバーレは,次にこう言った。

「でわ,耶桜国の姫。
最後に言いたい言葉はあるか?」

その言葉に,背を向けたカグヤは,レオンを見る。

「レオン…好きだよ…。
本当は,直接言うつもりだったんだけど…無理みたい…。
あなたの笑顔が,すごく…すごく…大好き…でした…。」

頬を流れる涙。

「最後まで,あたしを守ってくれた背中が…大好き…。」

そう言い終わると,涙を拭き,バーレの方を向く。

「クックックッ…。傑作だな…。
お前の愛した奴は,あの神獣だったのか!」

大笑いするバーレ。
カグヤは,今までにない屈辱を受け,歯を食いしばる。
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