お姫様はメイド服!?
「久王様は,あなたと同じ,好奇心旺盛な方です。
戦争と聞いて,怖がったりせず,力を貸すと言ってくれました。
戦う事に熱心な所は,あなたと少し違いますね。
ここだけの話ですが…」

レオンはそう言いながら,カグヤの耳に口を近付けた。

「久王様は,戦い向きじゃありませんでした。」

これは丁寧な言い方。
適当に言えば,弱い。
口悪く言えば…口ばっかりのチキン男。

カグヤは吹き出した。

「だって父さん,虫も殺せないのよ?
そんな人が,剣を交わせるわけないわ!」

レオンも笑う。

「でも,頭の回転が速く,色んな作戦を考えてくれました。」

「悪かったわね,頭の回転が悪くて!」

そう膨れるカグヤを見たレオンは,慌てて訂正した。

「そんなつもりで言ったんじゃないですよ!
そりゃ,あなたは聞き間違いも読み間違いも,勘違いも多いですけど…」

レオンの言葉に,カグヤの頬の膨らみは増す。
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