お姫様はメイド服!?
「何?これ…」

指輪は分かるんだけど,何で渡されたのかがわからなかった。

「日本で言う,婚約指輪だ。」

そう言う彼は,いつもの彼だった。

「コンニャクユビワ?」

首を傾げて言う私を,見下すように笑う久王。

「お前はバカか!
コンニャクを指輪にしてどうする!
婚約指輪だって!
結婚は出来ないけど…離れていても,ずっと一緒って意味だ。」

ニッコリ笑う彼をジッと見つめた。

「ずっと?」

「そう!ほら,俺も持ってる。
ペアルックだな!」

ペアルックの意味も分かんなかったけど,何となくわかった。

「あなたは,本当にバカね!」

いつもの口癖を言うと,彼と私はおでこをくっつけて笑った。
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