お姫様はメイド服!?
ガシッと,腕を掴まれた。

びっくりした俺は,自分の腕を見た。
真っ白な細い手が,俺を掴んでいた。
白い手を目で追っていくと,涙目の女の子と目が合ったんだ。

それが,俺の初恋の人…。

「何?」

その時の俺は,早く帰りたくて,イラついていた。
でも,彼女はそんな事を気にせず,紙とペンを持って来て…

『お礼がしたい』

と,紙に書いた。

彼女は,喋る事ができなかったんだ。

『こっちに来て』

俺が驚いている間に,彼女は紙にそう書いて,俺様の腕を掴んで歩き出した。

「おい!女!どこに行くんだよ!」

俺の言葉に,ピタッと止まると,紙にこう書いた。

『黙ってついてきて』

そして,ニッコリ笑う。
その瞬間,心臓がドクンと脈打った。

「????」

俺は,言われる通り黙ってついていった。
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