お姫様はメイド服!?
「天草 姫久耶です。
よろしく。」

そう言って座ると,ひんやりとした空気が流れた。

え…何??

戸惑っているカグヤとは裏腹に,レオンは声を殺して笑っている。

あたし何かした?

「女王姫…えと…この国では,自己紹介の時は歌を歌うのです」

「は?」

歌…??

「でわ,もう一度どうぞ」

カグヤは,頭の中で曲を選んだ。
でも,すぐ却下。

えーと…きらきら星!!

カグヤは,恥じらいなく,きらきら星を歌った。

「きらきら光る~♪夜空の星よ~♪」

歌い終わると同時に,拍手がおきた。
特に,ドランがかなりの速さで手を叩いている。

「でわ…レオン。」

ドランが,レオンを指す。

「レオン・フォートニード。」

そう一礼すると,歌いだした。

カッコいい…。

カグヤは,歌うレオンを見てそう思った。

「でわ…私,ドラン・ゴッドネスト。」

ドランの歌に,カグヤは笑いを堪えていた。
ものすごい音痴なのだ。
カグヤは,チラッとレオンを見た。レオンは,下を向いて笑っていた。

「でわ…ラビー様。」

「ラビー・トラッケインよ。」

ものすごい美人。
腰まである赤い髪と,鋭い赤い目。

歌も,すごく綺麗だった。
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