お姫様はメイド服!?
「なら安心だ…
元気でな…」

前を向く。

「あなたも…お元気で…」

「最後に…」

俺は,無意識に言葉を続けた。

「最後に…聞きたいんだけど…」

本当は,聞きたい事なんてない。
頑張って,話題を探した。

「今日,作ってくれた料理は何だったんだ?
ほら…ここに捕まる前の…」

後ろで,「あぁ…」という女の声がした。

「あれは…唐辛子スパイスの,野菜の煮込み風スープ。
食べちゃダメ…って言ったのは,睡眠薬が入っていたから…」

「そっかぁ…」

最後の方は聞きたくなかった…

「今度…作ってくれよ…また…」

俺はそう言うと,返事を聞かずに馬を走らせた。

胸が苦しい…
涙が出そうだ…
息ができない…

俺は,何も考えないように,無我夢中に馬を走らせた。
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