お姫様はメイド服!?
城に着いた俺は,城内でバッタリ会っちゃったレオンに怒られた。

「勝手に城から出て,こんな遅くに帰ってくるなんて…」

早く寝たかった俺は,何も言わずに聞いていた。

「しかも,傷までつくって…何してたんですか?」

それにも答えない俺に,レオンは呆れたように手を振った。

「まぁ…いいです。
疲れているみたいですし…早く休んでください。」

最後にうさん臭い笑顔を付けて,レオンは俺の横を通り過ぎた。
その時,

「神獣という自覚をしてください。」

と,小さな声で言われた。

レオンはこの頃,今と違って黒かった。
黒いってのは,心がって意味。
トゲトゲしくて,クローンよりも大きい存在。
ただ,うさん臭い笑顔だけはこの頃にも健在している。

俺は鼻で笑うと,部屋へ向かった。

『大丈夫』

女のあの笑顔が,何度も浮かぶ。

胸騒ぎがする…

ざわつく胸を押さえ,深い眠りに入った。
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