お姫様はメイド服!?
次の日,いつもより早目に起きた俺は,女の家に行く事にした。

いない事は分かってる。
けど,いると信じたかった。

『来ると思った』

そう笑う女の顔が見たかった。

俺は,廊下に出ると,誰もいない事を確認した。そして,忍び足で城の入口まで走った。

入口に近付くにつれて,見えてくる人影。

「レオン…」

俺の足は止まる。それと同時に,レオンと目が会う。
クスッと,嫌味っぽい笑いをされた。

「行くんですね…」

レオンを睨みながら,足を進める。

「私もついていきます。」

ニッコリ笑うレオンに,眉間に皺を寄せる俺。

「深く干渉はしません。あなたが昨日の様に,傷だらけで帰って来られたら困るんで…その見張りです」

本当に…こいつは悪だ。言葉もそうだけど,普通笑顔で言うか?

「勝手にしろ…」

溜め息をつきながら,扉に手を掛けた。

「はい」

俺は,急いで馬に乗り,町へと走らせた。
なぜか,急がなきゃいけない気がしたんだ…。
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