お姫様はメイド服!?
ハナマ国。
南国の近くの国で,マーラが使用人として働いている国。

俺は馬に乗ると,城とは反対の方向に走った。
その時の俺は,レオンの存在すらも忘れていた。

『大丈夫』

何度も何度も,女が俺に笑いかける。
眉を下げた,悲しそうな笑顔。

俺はバカだ…
何で気付かなかったんだよ…
大丈夫なハズねーじゃんか…
あいつは…笑ってなかったじねーか…。

死刑は明日。
それまでに,片をつける。

真上に昇りかけている太陽が,やけに熱く感じる…。



昨日も来たこの場所。
違うのは,俺様自らここに来たって事。

城の前には,鎧の兵が2人。

「仕方ねーな…」

馬から降りた俺は…

「ちわーっす!」

堂々と兵の方に歩いた。

「誰だ?お前?」

馴々しい俺に,身内の確認をしてくる兵。

「耶桜国のランシャー・クロネーズファインだ。
ここの王に話しがある。」

そう言った時…2人の兵が顔を合わせ,アイコンタクトをしたのを,俺は見逃さなかった。

「その連れも一緒か?」

連れ??

俺は,兵が指差す方に目をやった。

忘れてた…
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