お姫様はメイド服!?
「私も行きますよ…」

勝手にここに来た事に怒っているのか,声がいつもより低い。

はぁー面倒くさッ…

俺は,溜め息をつきながら兵の方へ向き直ると,

「こいつも」

吐き捨てるように,そう言った。

「でわ,ついてこい…」

ギギィっと開く扉。
俺は,偉そうに話す兵にムカつきながらも,おとなしくついて行った。

カシャン…カシャン…

音をたてながら,兵は奥へと歩いて行く。
俺は,歩きながらバレない程度に周囲を見回した。

女は…いないな…

でも,その代わり,鎧の兵が,俺達を影から盗み見ているのを見つけた。

「ランシャー…」

レオンもそれに気付いたのか,こっそりと小声で話しかけられた。

「あぁ…」

何となく,上から目線で言われた気がしたけど,我慢強い俺様は堪えた。
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