お姫様はメイド服!?
「さ、出て来い!」

男の声と共に開く扉。

「!!!!」

扉の向こうにいたのは…

「ッ畜生…」

女だった。

首に縄を巻かれ,体中傷だらけ。
手は後ろに縛られていた。

「中に入れ!」

首に巻かれている縄の端を持った兵が,強く引っ張りながら中に入ってくる。

「ッう…」

女の呻き声に,胸が熱くなる。

「さぁ!早くその女を殺せ!
客が暇しているのだからな!」

その時,バッと女の顔が上げられた。

時が止まったような感覚になる。

女は,俺を見ると,恐怖にひきつった顔をした。
微かに動く唇。

『に げ て』

女は,そう動かした。

俺は,フッと口端を上げると,

『た す け る』

そう唇を動かした。

すると,女は,昨日のような,眉を下げた悲しそうな笑顔した。
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