お姫様はメイド服!?
「マーラ…ごめん…。
俺のせいでこんなに…」

優しく傷だらけの腕を撫でた。

「ッあなたのせいじゃない…」

後ろで,剣がぶつかる音がする。

「全部あたしが悪いのよ……」

その時,新しい兵が部屋に入って来た。
俺達の方に剣を振り上げ走ってくる。

畜生…

鈍い音と共に,俺の剣が兵に刺さる。

「うあ゙ぁ……」

兵の血が,俺の顔にかかる。

やっと…

「やっと目が覚めた。」

マーラに背を向けている俺は,剣をしまった。

「俺もお前も悪くない。」

そうだ。
俺様は悪くないし,マーラも悪くない。

「悪いのは…最初からあいつ1人だけだ…」

今,レオンと剣を合わせている奴を指差す。

「お前をこんな風にさせたのも,俺を騙させたのも…全部あいつのせいだ。」

「どうして…?」

小さなか細い声に視線を向ける。

「どうしてなの?
あたしは…あたしが…あなたを騙したのよ?」

まぁ,騙したのはこの女だ。
金のために俺様を騙しやがった。
きっと…
いや…

「絶対に,数年前の俺だったら,お前を許したりはしなかった。」

でも…
< 225 / 240 >

この作品をシェア

pagetop