お姫様はメイド服!?
「カグヤ♪成人おめでとう!」

「おめでと~♪」

「おねぇちゃッおめっと!」

「ありがとう♪」

今日は成人式で,今帰ってきたカグヤ。
真っ赤な振り袖を着たカグヤは,5年前より大人っぽくなっている。

「振り袖は着て行くの?」

母の姫帆がたくさんの荷物を持ちながら言った。

「うん♪レオンに見せてあげたいの!」

「そぉ…」

悲しげに微笑む姫帆。
その後ろでは,小さい女の子を抱っこしている久王が,腑に落ちない顔でカグヤを見ていた。

「カグヤ…いつも言ってるが,別に無理していかなくても…」

「父さん!!!!」

「あなた!!!!」

カグヤと姫帆に睨まれて,久王は小さくなった。

「とっちゃん可哀相?」

小さい女の子が,久王をよしよしと撫でる。
この子は,カグヤの妹の姫久奈。
4歳だ。

「キクナは優しいなぁ♪」

「えへへー♪」
< 234 / 240 >

この作品をシェア

pagetop